［講演要旨］ 　
本講演では、2000 年に青山学院大学文学部英米文学科を卒業した話者が、どのよう な経緯でNPO 法人を立ち上げ、さらにコロナ前に会社を設立し、しかも両方とも「平和な未来づくり」を目指して運営しているかをお話しする。

卒業間近の2000 年3 月、卒業旅行を兼ねて渡航したフィリピンで、「日本人なんか見たくなかったのに、なんで来たんだ」と夫を太平洋戦争で亡くした女性に詰め寄ら れた。19 歳から21 歳までの大学生7 人が参加した体験学習であったが、誰一人とし て言葉を返せる者がいなかった。自分がやっていない、知らない時代のことだという 説明は、対外的に何の意味もないことを悟らざるを得なかった。一歩日本の外へ出ると、 「あの時の日本人」の子孫という目で見られてしまうことがあり、それが国際社会なの だということを知ることとなった。

その後、過去に犯した罪を深く後悔する元日本兵たちに出会い、彼らの声を現地に 届けようとブリッジ・フォー・ピースを2004 年に設立。現在もライフワークとして活 動を継続している。さらに、平和な未来づくりには国際交流が欠かせないとの思いから、 愛知県岡崎市でGlobal Studies Cafe という英会話カフェをオープンし、英語を教える 傍ら、「旅行は平和産業」という確信の下、さまざまな国の人たちの来日をコーディネー トして、世界中の人々と繋がっていくべく日々奮闘している。

大学生、大学院生の皆さんの将来を見据え、女性が自分の信念や理想に基づいて人 生を形づくっていくことを考察する。