齊藤 弘平

  • Associate Professor(准教授)アメリカ文学・文化

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  • koheisto@cl.aoyama.ac.jp
  • ガウチャーホール G1004研究室

 19世紀から20世紀初頭にかけてのアメリカ文学と文化、そして医学、心理学、経済学、精神分析などの隣接する諸科学との文学の影響関係を、主要な専門領域としています。特に「人間」「自己」「健康」というような、我々が当たり前の前提のように受け止めている概念やその定義が、どのように近代になってから、微妙にでも決定的に、変容してくるのか?ということに強く興味があります。現在は、アメリカの心理学者・哲学者 William James を中心に、文学作品から映画や絵画などの視覚文化も射程に入れながら、19世紀終盤以降の知識人やアーティストがいかにして「心/意識」を描いてきたのか、その大いなる発見あるいは大いなる誤解や失敗はどこにあるのか、そして世界大戦後の「治療的文化」とポップカルチャーだったり労働倫理だったりの深い結びつきをどう理解するか、などについてずっと考えたり、書いたりしています。

 しかし授業においては、自身の専門にこだわらず、学生の皆さんへきちんと体系だったアメリカの歴史を教えること、その新興国から生まれる文学や文化のダイナミズムをさまざまな角度から紹介すること、ジェンダー、人種、労働などの現代的な社会問題を歴史的に文脈化した上で考えてもらうこと、を常に心がけています。ここ最近のゼミのテーマとしては、精神疾患、障害、などがどのように20世紀以降の文学や映画に表象されているのか、について学生たちと一緒に考察しています。

 そもそもアメリカ文学や文化を専攻することになった動機は、少年の頃よりアメリカ産のRockやJazz、Hip-Hopなどのポピュラー音楽が大好きだったから、そしてアメリカ映画に夢中になっていたから、だと言えます。アメリカ文学には限らないですが、眠れない夜に小説を読むことも日課としていました。世を拗ねたカウボーイたちや自我の不安に悩むアンドロイドたちも、また私にとって人生の師なのです。
大学生の頃はバンド活動をしていたこともありますし、友人たちと自主映画を撮ったりなんかもしていました。スポーツ観戦も好きで、一時期の狂信は覚めましたが、日本ハムファイターズ(日本のプロ野球チーム)至上主義者です。移り気で分裂症万歳な気質もあるので、のめりこむ趣味もよく変わるのですが、最近の趣味特技について言うと、アナログレコードの洗浄とスパイスカレーづくりです。アナログレコードの溝をじっーと眺めていると、その向こうに宇宙が広がっているのがよくわかります。

Research Interests

アメリカ文学(American Literature)
アメリカ文化史(American Cultural History)
批評理論(Critical Theory)
知識史(History of Ideas)

担当授業

アメリカ文化演習(4)、アメリカ文化概論、アメリカ文学/文化特講 など

研究者情報

青山学院大学 教員情報

青学TV (YouTube)

「アメリカ文学・文化の秘密」