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グローバル文学・文化
植民地主義・帝国主義の歴史や、20世紀におけるアメリカの文化的・経済的影響力も受けて、イギリスに起源を持つ「英語」という言語はいまや世界で流通するグローバル言語となっています。これにともない、英語による文学・文化も、アメリカやイギリスに限らず、カナダ、オーストラリア、インド、西インド諸島、アフリカ各国など、さまざまな国と地域で生み出されています。また現代の文化動向を考えるためには、言語の越境的移動とならんで、近年では人びとの移動(移民)も重要な要素となっています――こうした動向と経験がしばしば優れた文学作品に結実することは、ノーベル文学賞を受けた作家J・M・クッツェー (J. M. Coetzee, 1940- ) やカズオ・イシグロ (Kazuo Ishiguro, 1954- ) などの近年の活躍にも明らかでしょう。
このコースでは、「イギリス」や「アメリカ」といった地域文化の枠組みだけでは捉えきれない、グローバルな文学・文化の越境的運動を学びます。例えば、旧植民地諸国において英語で書かれたポストコロニアルの文学・文化、移民作家たちの文学、あるいは伝統的な英米文学のなかにも、こうしたグローバルな移動の歴史的文脈を抜きには考えられない作品が多々あります。現代文化の越境的ダイナミズムを加速する要素としては、翻訳による言語の壁を越えた文学・文化の流通や、映像など現代メディアの影響力も見逃すわけにはいかないでしょう。例えばイギリス文学を原作とする翻案映画が日本やインドで作られるときに起きる「アダプテーション」という現象もまた、文化の壁やメディアの差異を越えた、文学・文化のグローバルな浸透力を証明する実例として検討できるはずです。こうしてみると、日本に住む私たち自身も、実は当事者として文化の越境に参加するプレイヤーなのです。

Professors(コース担当教員)

久野 陽一
Professor(教授)

久野 陽一

田中 裕介
Professor(教授)

田中 裕介