Seminar in American Studies

 2019年度のゼミ、テーマは「学生それぞれのアメリカ研究とその研究発表」としています。文学作品や作家の研究から、映画の表象を通したジェンダーや人種・民族性の研究、ブルースからガレージロックおよびアイドル、ファッションから野球までのポピュラーカルチャーの研究、移民政策、写真芸術、宗教、都市研究まで、とにかくゼミ生たちに「自分が着目し、もっと知りたい/知る必要がある」と思ったことを、どんどんと突き詰めて考え、仲間にきちんと伝え、そのうえでいまいち足りていない部分をみんなで議論し補い合う、そんなゼミを目指して日々邁進中です。

 

 前期には America on Film (2004) という高名な教科書を使い、人種・民族性、ジェンダーとセクシュアリティー、障がいの表象などを、課題映画の分析を通して、みんなで考えてきました。そこでは、”white, male, capitalist” という3強のドミナントを、どう批判的に捉え直すべきなのか?を、大いにゼミ生全員で考察してきました。
 前期の課題作品として、ゼミ生たちが「宿題」として観てきた映画は以下の通りです。
 

・The Concept of Whiteness 対象作品 The Quiet Man (1952)
・African Americans 対象作品 Superfly (1972)
・Asian Americans 対象作品 Saving Face (2004)
・Latinos 対象作品 Spanglish (2004)
・Women in Classical Hollywood 対象作品 All That Heaven Allows (1955)
・Visual Parameters of Women in Film 対象作品 Pretty Woman (1990)
・Masculinity in Classical Hollywood 対象作品 Rebel without a Cause (1955)
・Gender in American Film since the 1960s 対象作品 Thelma and Louise (1991)
・Sexualities on Film since the Sexual Revolution 対象作品 Boys Don’t Cry (2000)
・Images of (Dis)ability 対象作品 A Patch of Blue (1965)

 
 後期は、このような文化研究の訓練を跳躍板にして、それぞれの学生のそれぞれのフォーカスに従って、「アメリカ文化」をさらに多角的に考えていきたいと思います。
 卒業論文を執筆する4年生たちには、このゼミでの研究発表の場が、いわば中間発表の機会にあたります。2019年度は、モダニズム小説や詩の研究、そして現代のアメリカ映画を通して、人種、ジェンダー、性、あるいは障がいといったテーマを考察する卒論が(無事書きあがれば!)提出される予定です。

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